事務局
国立研究開発法人
国立成育医療研究センター 総合診療部
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会長挨拶

第27回日本SIDS・乳幼児突然死予防学会
会長 窪田 満
(国立成育医療研究センター総合診療部 統括部長)

第27回日本SIDS・乳幼児突然死予防学会を、2022年2月19日(土曜日)~20日(日曜日)に、完全web形式で開催することとなりました。メインテーマは、「なせ死に至らなければならなかったのか」とさせていただきました。子どもの死に直面した小児科医は、そのことを常に「考えて」います。子どもが死に至る過程において、自分たちができたことはなかったのか、その死を防ぐ事はできなかったのかと考えます。医療的ケア児であれば、在宅人工呼吸器の設定に問題はなかったのかと考えますし、基礎疾患のない児であれば、うつぶせ寝はなかったのかと考えます。さらに、その御家族の背景を考え、必要なサポートが足りなかったのではないかと考えます。一方で、私たちは亡くなった子どもたちから様々なことを教えていただくために、死因究明が重要であることも認識しています。遺伝子診断で不整脈の遺伝子が判明すれば、同じ遺伝子変異を持つ兄弟を守ることができます。解剖は死因究明には欠かせないものですが、子どもの解剖のハードルが高いのも事実です。しかし、それでも、亡くなった子どもからのメッセージを御家族に伝えるためにも、死因究明の努力を忘れてはいけません。

私たちが経験している新型コロナウイルスの世界的な流行は、小児医療に大きな影響を与えました。家族の死に立ち会えないという問題もクローズアップされました。そのような中で、この学術集会に御参加になる小児科医、法医学・病理学などの専門家の会員の皆様と、子どもの死に関する基礎的、臨床的な研究を議論し、子どもの命と安全を守り、子どもたちをとりまく社会を良いものにしていくことへの貢献を目指すことは、意味のあることだと考えております。子どもも、それを支える大人も、安心して暮らせる社会を私たちは目指さなければなりません。

上記の新型コロナウイルス流行のために本学会は1年延期となりましたが、是非、多くの先生方の御参加をお待ちしております。御参加になる会員の皆様と一緒に、亡くなった子どもたちから何を学べばいいのか、そしてどうすれば予防できるのか、考えていければと思っています。

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